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からだのメンテナンス -予防医学のススメ-
健診に行こう! 【動脈硬化(1)】

なぜ今、動脈硬化なの?

 最近、テレビや雑誌などのメディアで、「メタボリックシンドローム」が取り上げられることが増えてきました。動脈硬化の症状=動脈硬化症は、このメタボリックシンドロームと深い関わりを持っています。

 メタボリックシンドロームは、内臓脂肪の蓄積が原因となって、関連する代謝機能がうまく働かなくなり、高血圧、高血糖、高脂血などの軽度な異常を併発している状態です。これらのうち「高脂血」は、血液中の中性脂肪やHDLコレステロール量などを計ることで判断しますが、この「高脂血」は、動脈硬化の危険因子ともなります。つまり、メタボリックシンドロームやその予備軍の人は、動脈硬化を起しやすいということなのです。



動脈硬化とは?

 酸素をたくさん取り込んだ新しい血液を、心臓から全身へと運ぶ動脈。この動脈は、ポンプの役割を果たす心臓から送り出される血液の圧力に耐えられるように、健康なときは丈夫で、弾力性に富んでいます。

 ところが、老化によって細胞が弱ることに加えて、血液中に脂肪分が多い「ドロドロ血」の状態が続くと、血液の循環が悪くなって、細胞への栄養素や酸素供給がスムーズにできなくなります。
  このように細胞が弱った状態で、ストレスや過剰な飲酒、喫煙などの不健康要因が加わると、血管壁は炎症を起こして、傷つきやすくなります。この傷を修復しようとする働きの結果、血管壁の内側に、アテロームと呼ばれる脂肪性の沈着物が生じます。このアテロームがドロドロ血によって増大すると、血管壁はますます厚みを増し、硬く、かつ内径が狭くなって、さらに血流が滞ります。このように、血管壁の内側にアテロームができて厚くなり弾力性が失われてしまう、これが動脈硬化の始まりです。

 血管の弾力性がなくなると、高い血圧に耐えられなくなります。特に動脈では、心臓から勢いよく血液が送り出されてくるため、脆くなった血管が耐えられずに破裂(出血)してしまうことがあります。これが脳内で起こると脳出血です。
  もう一つの現象は、血管壁に生じたプラーク(アテロームのかたまり)が破れて生じた血栓が血流に乗り、脳の細い血管や心臓を動かす冠動脈などに詰まって細胞が死滅する、「梗塞」を起こす病変です。

 動脈硬化は、脳卒中や心筋梗塞など恐ろしい命に関わる病気を引き起こす原因になります。年間およそ2000万人にのぼる脳血管疾患と心疾患による死亡者の多くが、動脈硬化症を起こしていたと考えられるのです。



頚動脈の重要性

 人間の体の中で、もっとも大量の血液を必要とするのは、体中の神経を司っている脳です。そしてこの脳の細胞は、一度壊れると修復ができません。たとえば、ひざを擦りむいたり指をやけどしてしまっても、体の修復機能によってケガは直ります。しかし、血液によって運ばれてくる酸素や栄養分が途絶えて脳の細胞が壊死してしまうと、その脳細胞は二度と元には戻らないのです。

 この脳へ新鮮な血液を運んでいるのが、首を通る動脈=頚動脈です。この頚動脈部分にプラークがあると脳卒中を起こす危険性が非常に高まるため、動脈硬化の検査の中でも特に重要視されています。



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